一期一会 ~和歌山市M様~
M様は2月下旬に誕生日がきて97歳になる予定でした。
家族はなく独り身の方です。国の支援を受けひとりで生活をされていました。M様をお世話されていた介護施設の方からのご紹介で、M様のご葬儀の依頼を承りました。
ご家族がいらっしゃらないとのことでしたので、すべてこちらで進めさせていただきました。
和歌山市の生活支援課の方、介護施設の方と連携をしながらM様を送る準備です。
お気に入りのお洋服を着せていただいてたので白いお着物(白装束)への着替えは行いません。
お顔は97歳なのにあまりシワがなく肌も綺麗でした。ただ口元が大きく開いていたのでご本人は少し恥ずかしいだろうなと感じました。
人が亡くなりどなたかが最後にお顔を見ることになると、最後のお顔がその方の最後の印象になります。
女性としては口元を整えお化粧をし髪を整えてあげたくなりますよね。
高齢で独り身で家族もない人だとしても、最後に関わる私たちがその人の尊厳を守らなければなりません。
ドライシャンプーをして髪の毛をセットし、お口の中を洗浄し含み綿で口元を整えます。その後はお化粧です。高齢ということもあり、シンプルに軽くファンデーションを塗り、お洋服の色に合わせて口紅をつけました。
すごくお上品で綺麗に変身されました。
M様に逢いに介護施設の方がいらっしゃいました。その際、M様を囲みM様の人生を知り得るかぎりで振り返り、みんなで話しました。余談ですが、M様には彼氏がいたそうです。今時ですね~。最後まで女性であったのでしょう。とにかくM様を交えて笑いながら楽しい話をしていたような気がします。きっと最後はさみしくなかったでしょう・・・と思いたいです。
M様は97年の人生をどのように振り返られているのでしょう・・・
ご出棺の日はお亡くなりになられてから4日後でした。最近は火葬場の予約がすぐにいっぱいになるんですよね。
冬であっても故人のお身体の状況を常に確認しながら4日過ごし、ご出棺前にはスタッフでお花を入れてお別れをしました。
お顔の周りにはお花がいっぱいになりとても安らかで綺麗でした。
そして和歌山市営斎場へ出発です。M様、お疲れ様でした。M様のお世話をされた介護施設の皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。葬儀後は介護施設の方へお棺のなかのM様の写真をお見せしました。
民生葬儀の内容はそれぞれの葬儀会社で違いがあります。
民生葬儀の国からの費用は市町村によって様々ですが、和歌山市内では約206,000円です。人の尊厳を守れる最低の費用がその金額なのだとしたら、その費用のなかでどれだけ充実した内容で故人を送ることができるかを考えたいと思います。
費用をかけない直葬も多くはなっていますし、弊社にもお任せのプランはあります。しかしながら民生葬儀で約206,000円の費用がでるにもかかわらず、100,000円以内のプランを選ばれることがあります。
本当に大切な人がいるとしたら低価格のプランを選ばれることはお勧めしません。どうしても理由がある人は別ですが・・・
元気な時にお葬式の内容や料金などは調べて、しっかりと相談の対応をしてくれる葬儀会社を選ぶことをお勧めします。