一期一会 ~和歌山市 O様(女性)~

O様のお嬢様からホームページを見てお問い合わせがありお電話でのご相談をさせていただきました。たくさんの葬儀会社に相談をされた中で弊社を選んでくださいました。O様の容態は思わしくなく、ご不安だったと思います。
O様の意思は「できるだけお金をかけずに何もしなくてもいい」でした。その意思をご姉弟で相談されO様の意思を尊重し自分たちにできることをしてあげたいとの想いでした。
そのうえでO様であるお母さまを「最後は自宅に帰らせてあげたい」「少しでも家族だけの時間を作りたい」とのご希望でした。

O様を病院からご自宅へお連れし、玄関からお布団迄の段差のある長い距離を、ご姉弟にもお手伝いいただきお母さまをご自宅のお布団にご安置しました。
その日も朝から暑い日で大汗をかき、O様にはお声もかけながら大変でした(*_*;
ご安置が終わった時点でみんなで「お疲れ様でした~、よく頑張りました~」と大笑いでしたが、お布団の上のO様も一緒に笑っているかのように見えました。

O様は元気でパワフルな人。頑張りすぎるところがあり、すぐに無茶をするタイプだとご姉弟は話されていました。
体調を悪くされてからも一生懸命に闘病されていたそうです。きっとご姉弟お2人に心配をかけないように頑張って元気に振舞っておられたのでしょね。
そして残していくご姉弟を想い「何もしなくてもいい」という葬儀の形を選ばれたのでしょう。

ご姉弟にはお母さまのお好きだった飲み物や食べ物の用意をしていただきました。
ご出棺前の音楽は大好きだったL‘Arc~en~Ciel♬をかけていました。
お棺の上にはピンクのお花が入った花束を手向けました。ご自宅に咲いていたお花も一緒に手向けようとお庭にあるお花を探していたら、今まで咲いたことがない玄関前の胡蝶蘭が一輪咲いていました。お母さまからご姉弟へのメッセージだったのではないでしょうか…

ご姉弟にはご納棺、ご乗棺をお手伝いいただきました。ご出棺の際には斎場迄は弟様が霊柩車に乗られました。
ご葬儀の際、一般的に男性は比較的に人前では泣かないようにしている方が多い傾向にあるかと思いますが、母子家庭で育ちまだ30歳前後の若い弟様にとっては大変つらく悲しいことなのでしょう。
涙は次から次へと溢れ出てお棺のなかのお母さまに向かって「ありがとう。よく頑張ったね。大丈夫だから…」と言葉をかけていらっしゃいました。

大切な人との別れのとき、感情をおさえる人がいますが、できるだけ感情はおさえずに表に出せるように「泣いていいんですよ。泣いてくださいね」とお声をかけるようにしています。
お葬式の形式は儀式に則り進めていけば良いのでしょう。お葬式の費用が高いから良い、安いから悪いではございません。故人やご遺族の意向や予算をしっかりと聴き、故人やご遺族が後悔しないようにしなければなりません。ご遺族の様子を見ながらどのようにお別れをさせてあげられるかを考え、ご遺族の背中を押してあげられるかはわたしたちの使命でもあります。
参加されている皆様がひとつの想いになることで後悔のないお葬式をして、ご遺族が明日からリスタートしてまた一歩ずつ前に進んでいただきたいと考えています。
そう考えたとき今回のお別れの形はご姉弟にとって笑いや涙もあり、お母さまを送るために精一杯参加していただき、お2人にとって最高の想い出にできたのではと感じています。
そしてご葬儀後もグリーフケアを含め色々なサポートをいたします。
今後ご遺族にはまだまだ長い人生でご不安なことが多々あるかと思いますが一緒に進んでまいりたいと思います。

O様、ご家族様、この度はわたしたちをお選びいただきましたことを心より感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。
暑い日が続きますのでくれぐれもお疲れでませんように。ありがとうございました。

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