一期一会 ~ 和歌山市 Y様(女性)~
屋形町教会でのご葬儀を承りました。
Y様は屋形町教会の信者様で、長年にわたり幼稚園の先生をされていました。ご自身では幼稚園の仕事は天職だと思い、担任をしていた子供たちの話を生き生きと話されていたそうです。
Y様ご自身にもお子様はお2人いらっしゃいます。お2人にY様のことを伺うと、仕事を最優先に第一線でお仕事をされ、仕事を最後までやり遂げる姿を尊敬していましたとのことです。しかしながら子供のころは少し寂しい思いもされたそうです。Y様がお勤めの幼稚園に通われていましたが、お母さんとして甘えることはできず、朝はお父さまに送ってもらい、帰りは祖父母の自宅へと帰る毎日だったそうです。
学校の行事には来てもらえず、運動会のお弁当の時間などは他の友達が両親と一緒に食べている姿を見ると、とても寂しかった思い出になっているそうです。
子供のころは「なぜお母さんと一緒に帰ることができないのだろう?」と考えることがありましたが、大人になってその理由がわかりました。
「一緒に働く人やこれから働こうとしている若い人たちのために、女性が働きやすい環境をつくり活躍できるようにしたい。だから自分が勝手な行動をしてはいけない」と考え頑張ってこられたそうです。
幼稚園の先生を退職後は読み聞かせのお話ボランティアに参加されたり、昔話大学の仲間と花園村にまつわる昔話を作られたりと積極的に活動をされていました。
そのようなお母さまを送る形をY様ご家族は皆様でご相談され、様々な想いを形にするために生前のご相談ということで、わたしたちRESTART株式会社にご連絡いただきました。
初めは教会での家族葬を考えていらっしゃいましたが、Y様はたくさんの人との関りを持ちながら人生を歩まれてきたことを考えると参列されたい方にはお越しいただくことにしました。
Y様ご本人のご意向とは少し変わってきましたが「きっとわかってくれるでしょう」とのことでした。
皆様にお越しいただくと決まると、Y様のご主人は自身での礼状の文面を考えてくださいました。
礼状にはY様に送る短歌をいれました。
「一途に生きし汝を称えて咲くかカサブランカ 豊かなつぼみ持ち 庭に揺れいる」
マリア様の花 「カサブランカ」が大好きだったあなたに・・・
ご主人はY様のことをすごく愛していたんだと感じる短歌(メッセージ)でした。
祭壇はY様の大好きだったカサブランカで作りたいとのご希望でしたので、カサブランカを中心にお棺を囲みました。
祭壇のお花を見てご家族様はすごくお喜びになりました。
ご主人より「たくさんのカサブランカを探して準備してくださったお花屋さんに感謝します」とお言葉をいただきました。
そしてご納棺の際にはY様の身支度が整った後お孫様お2人に声をかけました。「おばあちゃんにハグしてもいいよ~」男の子なので照れくさそうにしていましたが、しっかりとY様の身体を包み込んでくれました。
Y様はきっとうれしいでしょうね。
葬儀後にお棺のなかに入れるお花はカサブランカにしました。たくさんのカサブランカに包まれてY様がすごく綺麗に見えました。
たくさんの参列者がお別れをし、教会の信者様には受付などお手伝いいただき、今回もすべての方のご協力で良いお別れができました。
事前にご相談していただくことで、皆さまの想いを形にすることができます。
ありきたりの儀式だけを進めていくことは簡単です。しかしながら人生に一度のお葬式である以上、ご自身やご家族の想いを形にすることは大切です。そうすることで後悔なく故人との最後の家族の思い出を作り、故人からの想いを繋げ、残されたご家族は人生をリスタートできるのではないでしょうか。
Y様、ご家族皆様お疲れ様でした。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。