一期一会 ~和歌山市 S様(男性)~

S様のご家族と事前相談をさせていただいてから約1ヶ月、S様がお亡くなりになりご葬儀の依頼を承りました。
S様を施設からご自宅にお連れしご安置いたしました。仏式でのご葬儀を希望され、寺院はご紹介させていただきました。

ご安置後はご葬儀の打合せです。打合せでご家族様にS様のことを伺うと「優しく温厚な人柄だった」と皆様が口を揃えて仰いました。
子煩悩で怒ったことがなく、ご子息が幼い頃は少年野球のグラウンドへ毎週足を運ばれていました。またお孫様もすごく可愛がられていたそうです。
施設でも素直で無理を言うこともなく、温厚な人柄のS様は人気者だったようです。スタッフの方が自宅に弔問に来られた際も涙を流して悲しまれていたと伺いました。
寺院の都合もありご葬儀の日程が1日延びたことで、S様とご家族は自宅でゆっくりとお別れをすることができました。

次の日はドライアイスの交換とS様のお口元を整えるために自宅に伺いました。S様が亡くなられた時のお顔の口元が大きく開いていたことをS様の奥様がすごく気にしていらっしゃいました。
自宅にご安置しているためにご近所や知人の方がお顔を見に来られるので、できる限りお顔を見に来られた方に対してS様の印象を良いものにしなければなりません。
S様のお顔や首のマッサージをしてお口を閉じるといつもの穏やかなS様になりました。早めに対応することでお顔を見に来られた方も安心されたと思います。
今回はお口元を整える際に医師の卵であるお孫様が付き添われました。現在、司法解剖などもされていることから、勉強をしたいので見せてくださいとのことでした。通常はご覧いただくことは避けますが、医療関係の方がいらっしゃる場合はこのような希望をされる方もございますのでその際はご覧いただくようにしています。

お孫様が2人いらっしゃいますので、次の日のご納棺のお時間はお2人に清拭やお着替えを中心にお手伝いいただきS様の身支度を整えました。お2人にお手伝いをお願いしましたが、気づくと皆様がS様の身体を起こしたり着物を整えたりと参加されていました。
皆様から「貴重な体験をさせていただいて良かったです」と嬉しいお言葉を頂戴しました。
お着替え後はパープルのお棺にご納棺させていただき和歌山市斎場にご移動です。

式場の祭壇はヒマワリが入り華やかで、お寺様には通夜、葬儀と丁寧なお経でお勤めいただき、つけていただいた法名にご家族様は大変お喜びでした。葬儀を終え告別式ではご家族様にS様のお好きだったお酒で口元を潤していただきました。
ご出棺の際の音楽はS様の大好きな歌、春日八郎の「お富さん」で火葬炉に向かいました。
収骨を終えると自宅での初七日です。ご家族皆様はご葬儀を無事に終えることができた安心感と温かい空気感が漂っていました。
S様の温かさや穏やかさが皆様に伝わり、わたしたちも癒されました。

今回のご葬儀もご家族皆様がS様のために何かをしてあげたいという気持ちがひとつになり、ご葬儀が終わるまでの大切なポイントで様々なお手伝いをいただきました。ご葬儀の時間をただ過ごすだけではなく、できる限りご家族皆様には参加していただくようにしています。そうすることが故人のためご家族皆様のためになると信じています。
昨今の葬儀は形骸化されて費用だけが高くなり、葬儀社は時間や手間のかからないように進めていきます。
わたしたちは1件のご葬儀を大切に、ご家族と故人にとって最後の思い出をひとつでも多く残し、後悔なく過ごしていただけるようにお手伝いをいたします。
故人やご家族様の気持ちや費用によって様々なご提案をし、皆様にとって最高の想い出となるご葬儀を増やすべく邁進してまいります。

S様、ご家族皆様、ご参列いただいた皆様、お疲れ様でした。S様とのご縁を繋げていただいたTお姉ちゃん、今回のご葬儀に関わっていただいた業者皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。



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