一期一会

和歌山市K様(女性)のご葬儀

K様の菩提寺に貼らせていただいている弊社チラシをご覧になり、K様のご主人より事前にご相談の連絡がございました。
ご相談から約1週間後にK様はお亡くなりになりました。今年の春頃には菩提寺のご住職と元気に話されていましたが、まだ60歳という若さでのお別れでした。ご主人のご希望で菩提寺での家族葬を承りました。

K様は誰にでも優しく芯が強く、知識も豊富でした。姉妹の妹ではありましたが、お姉様や従妹様、ご友人には頼りにされていたそうです。
若い頃は美容部員をされており、「おばあちゃんになったら私がお化粧をしてあげるわね。」とご友人とお約束をされていましたが、ご参列されたご友人は「約束が逆になったわね。」と当時の思い出を振り返り、K様にかわいい色の口紅を付けてくださいました。
従妹様のお話では学生の頃はボートのインターハイ出場選手で、従妹様と練習や遠征に行かれていたそうです。
そのようなお話をする後ろでご主人が「インターハイまで出たのにこんな早く逝くんやなぁ。」と呟かれていました。

お葬式を派手にすることは考えていらっしゃいませんでしたが、ご親族や友人などからのお花のお供えでたくさんのお花がある華やかなご葬儀となりました。
今回もK様の看取りをされてお疲れの中の打合せでした。K様がお亡くなりになったのが午前4時頃です。日程を決める際、ご主人の仕事のご都合を考えるとその日のお通夜を考えられましたが、ご長男はご親戚がきっちりと集まり、落ち着いて葬儀を行いたいとお父様にしっかりと自身の気持ちを伝えました。
その気持ちを優先し次の日の通夜で行い、お父様の仕事の都合に合わせ葬儀の時間を午前9時からと早い時間にしました。
ご主人とご長男はお疲れでしたので、まずは少し自宅でお休みいただきその後に奥様のお写真や印鑑を預り手続きに入りました。

ご納棺は白いお着物をお着せして、お顔そり、ドライシャンプー、お化粧などをして身支度を整えお棺にご納棺です。
ご納棺前には皆様にお集まりいただき、最後にK様との握手をしていただきました。ご家族皆様の悲しみ、愛情、感謝の気持ちを温もりに変え、K様の冷たくなった手を温かくします。
そしてご家族皆様にお手伝いいただきご納棺をして、お気に入りのワンピースをお身体の上にかけさせていただきました。

身支度の時に足元は白い足袋をお履かせしましたが、お棺の中に入れるものに靴下がありました。お姉様によると寒がりで靴下を何枚も履かれていたということでした。ご納棺させていただいた後でしたが、ご家族皆様の手でもう一度靴下を履かせた後に足袋を付けていただきました。「これで足元は寒くないよね。」と皆様で納得です。

式場内はたくさんのお供えのお花がありましたので、お棺の中はお花でいっぱいになりました。すごくきれいでした。

ご出棺前のご挨拶はご長男が涙をこらえながらしました。K様は闘病中にも関わらず、ご子息に優しく「人としてこの先の人生をどう生きていくのか」を伝えられたそうです。お母さんのことを尊敬し感謝し、深い悲しみがある中、気丈に振舞い、長男としてしっかりとお母さんにお別れの言葉を伝え、お母さんの生き方や想いを引き継いでいると感じる温かいメッセージが込められたご挨拶でした。
お葬式はその家の代を引き継ぐ儀式でもありますが、K様も安心のご長男のご挨拶です。

今回のご葬儀も事前にご相談いただいていましたので、ご家族のご意向をしっかりと伺い、故人との最後の時間がご家族様にとってかけがえのない時間となるようお手伝いをさせていただきました。
わたしたちは第一に大切な人を亡くされた方の心の状態を考えご提案をさせていただきます。ときにはご家族様にとって都合の悪い状態になることがあるかもしれません。おせっかいと言われても、やり直しのきかない一度きりのお別れをしっかりとできるように今後もお手伝いしたいと考えています。

K様、ご家族皆様お疲れ様でした。季節の変わり目くれぐれもご自愛ください。この度お世話になりました関係者皆様方に感謝申し上げます。

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