一期一会
和歌山市H様(男性)のお葬式|直葬(火葬式)
施設様からのご紹介でH様のご葬儀を承りました。H様は生活保護受給者でした。75歳の人生でしたが、現在の施設に入居するまで壮絶な人生を歩まれていたようです。
生まれてからどのような生活をされてきたのかは本人から詳しく聞かないと不明なことがたくさんあります。
生活のなかで人と関わることが出来なくなったり、病気になったり、そのうえ認知症を発症したりすると本当の姿はどのような人だったのかがわかりません。
最後にたどり着いた施設でも何度も面談を重ね入居することが決まったそうです。その施設ではH様に心を開いていただけるように優しく接していました。心を開いていただけたら介助もスムーズに行うことができたそうです。
趣味や好きな物などは不明だがゼリーは良く食べていたとのことです。
H様の親族も遠い関係の方や連絡先が不明で、すべてを施設の方に任せるとのことでした。直葬で火葬をおこない樹木葬のある安楽寺という寺院でご納骨となりました。
施設のスタッフの方はお棺にお花をたくさん入れて家族のようにお別れをしてくださいました。火葬が終わると収骨です。収骨もご一緒させていただきました。
収骨の場所では火葬場スタッフからお骨について説明されます。骨壺の小さい方のみを準備していましたので、足の指のお骨から順番に頭迄のお骨を骨壺に入れていきます。
喉仏の形が合掌している仏様に似ているという説明があります。実は喉仏ではなくて第二頸椎だそうです。
施設スタッフの方と3人でお骨上げをして、お骨を預りそのまま安楽寺様へ向かいました。
ご住職にお骨を預け納骨の日を決めました。樹木葬の方へ納骨することを決め、後日合祀墓にご納骨。
家族がいない人でもみんなが入る合祀墓にご納骨されましたが、数日後に同じ施設に入居されていた方が同じ合祀墓にご納骨されたそうです。一緒に入居していた人と同じお墓に入るなんて家族みたいなものです。さみしくないですね。
しっかりと最後まで対応していただける施設に入居されたことで、H様の最期は尊厳を守られ幸せな最期になったのではないでしょうか。
今後も増加してくる「おひとりさま」といわれる人々。家族や親戚との付き合いもせず、離婚してから子供とは疎遠になっていたなど、様々な理由で血縁関係が周りにいないことが多くなってきています。
認知症や病気になってからでは意思を伝えることができない。少しでも若くて元気な時から自身の介護や死のことを考え調べて、金銭的なことも含めて意思を伝えておく必要があります。
終の棲家などとも言われますが、どこを選んで誰に託すかはすごく大切なことだと今回も強く感じ、また考えさせられました。
全くの他人がお別れをして収骨と納骨のながれは今後も増えていくのでしょうか…
亡くなられてから私たちと知り合ったときは縁を大切にし、自分の家族や友達のように最後は接するように心がけています。
どのような人生を歩んできたとしても幸せな最期で締めくくっていただきたいと思います。