一期一会のお葬式| キリスト教会カトリックでの一般葬

和歌山市 S様(男性)
昨年12月8日にS様の奥様よりご依頼を承りました。その日は他のご葬儀の出棺があったため、ご自宅訪問時間をお待たせすることになってしまいました。S様は入院からご自宅に戻られてすぐにお亡くなりなりました。
打合せに伺った際にご家族(奥様、お嬢様2人)は笑顔で迎えてくださいました。悲しみの中ではありますがお嬢様たちはお母さまをしっかりと支えているように感じました。
どのようなお葬式を行うかを伺ったところ、一般葬で行いたいこと、笑顔で送りたいこと、ご安置されているS様はいつもお孫様を楽しませようとしていたポーズをとっていることなどをお話していただきました。
打合せ中は涙を流したり笑ったりで、ご家族にとってS様はすごく大切な存在でS様の交友関係や人柄を知ることができました。
S様はまだ62歳の若さで数日後にご長女の結婚式を控えたところでした。病院で入院をしていましたがご長女の結婚式には出席することが出来ないとのことで、病院側の提案で病室で仮の結婚式ができ嬉しかったと、ご家族様は涙を流されながら話されていました。
S様もご長女の結婚式に出席できて嬉しかったでしょう。
S様はお嬢様2人のストーカーでもあったようです。これも皆様は話されながら笑ってらっしゃいました。
S様ご夫婦はお着物が大好きで、出かける時はお着物姿で出かけていたということです。それもあってご安置されているベッドの上でS様は羽織袴のお着付がされていました。すごく格好良かったです。
もちろん遺影写真も笑顔でお着物姿です。ご家族で撮影されていた写真を使用しましたので良い笑顔の写真になりました。
ご自宅でご納棺を終えキリスト教会でのご葬儀です。祭壇は白とグリーンを基本色に両側を羽のイメージで作らせていただきました。教会内はたくさんのお供えのお花で華やかになりました。また両日で300人の参列者があり、人とのつきあいを大切にされていた方だと改めて感じました。
ご家族皆様はお疲れで葬儀までのお時間もあまりない中、S様のために写真を印刷したりパソコンで映像を流したりと思い出コーナーを作ってくださいました。





たくさんの参列者とのお花のお別れでした。お棺の中のS様は、お孫さんとの「鼻から手~」という合言葉でいつものポーズをされていました。
鼻に右手の親指をあて手の平を広げています。そのポーズのおかげで参列者はなぜかハイタッチをしたくなるのでしょう。S様の手にハイタッチしていただける参列者の方々の姿を見て感動しました。ご葬儀でお花や香典をお供えする参加だけではなく、故人との最後のお別れにハイタッチという行動で参列者の方にも参加していただけました。これもご家族の「S様のためにこうしたい!」という気持ちから出た行動でした。
お別れが終わり通常は信者様の歌で葬列が進んでいきますが、故人が好きだった中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」で教会を後にしました。
進んでいく葬列を見ながら涙が出てきました。本当にご家族がお葬式を作り上げるお手伝いが出来たと感じました。


ご葬儀を終え友人達にこのような葬儀を行ったことを話していると、その中のひとりが「私、病院で仮の結婚式をして感動したって話をこの前聞いたような・・・」というので思い出してもらうと、化粧品を購入しに行ったところで病院の看護師さんがその話をされていたのを聞いたそうです。
みんなで驚きました。人が感動したことを話すとその話がどこかで繋がりまた感動する。
人付き合いや人間関係が希薄になっていると感じる昨今ですが、感動や心を動かされることはまだまだありますね。
これからも思いやりを忘れず自分のことのようにお見送りのお手伝いをしていこうと思います。
S様、ご家族皆様お疲れ様でした。今回のご葬儀にご協力いただいた皆様ありがとうございました。


