一期一会のお葬式|火葬式(和歌山市M様男性)
施設からのご紹介でM様のご葬儀を承りました。M様の奥様は同じ施設にご入居されており、大阪から長女様ご夫妻と次女様ご夫妻がいらっしゃるとのことで、施設にて打合せをさせていただきました。
まずお式はどのような形を選択されるかのご希望を伺いました。奥様が高齢で車いすを使用されていて、他のご家族様は大阪にお住まいとのことで、お付き合いのあるお寺もないので、葬儀は行わず体の負担の少ない火葬式が良いとのことでした。
ただ、長女様は「お式をしなくても良いのか」と不安に思ってらっしゃいましたので、皆様に何度も確認をして火葬式を行うことに決めていただきました。
しかしながら、少しはお経を読んでほしいとのことでしたので、弊社の紹介で火葬場で炉前の読経をしていただけるよう寺院に依頼をいたしました。
打合せの途中でM様は岸和田出身というお話になり、ご家族皆様も岸和田周辺に住まわれていることから、だんじり祭りの話で盛り上がりました。「ちょうどM様のお迎えの寝台車の方が毎年だんじり祭りに行かれてるんですよ」とお話すると、すごく皆様喜ばれていました。だんじりの力はすごいです。
火葬の日まで5日ありましたので、こちらでM様をお預りさせていただき、ご家族様とは和歌山市斎場での待ち合わせとなりました。
火葬式を選ばれてもたくさんのお花が欲しいとご注文され、お別れの時にお棺の中はお花でいっぱいになりました。


M様の火葬式ですごく心に残ったことがあります。寝台車の代表の方がM様の死亡診断書を見て「岸和田の人やったんか?」と言われたので、「そうなんです。それを伝えようと思ってたんです」と返していました。
ご安置させていただいている場所から和歌山市斎場に出発するときに、寝台車の方がラジカセとだんじりの音の入ったテープをお持ちになりました。
弊社と寝台車の会社の方と3名で、勝手ながらご家族様の代わりにお別れをさせていただきました。
だんじりの音楽を近くで鳴らし、聞いているかのようなお姿を見ると涙が出てきました。寝台車の方も「よう頑張ったな~」「走ってるぞ~」と声をかけてくれました。
このようなことができるのも、「何かをしてあげたい」「何かできることはないか」と、弊社以外の方も考えていただけたからこそだと思っています。
ご家族様には火葬式の日の収骨待ちのお食事後に動画をお見せしました。葬儀をしなくても大丈夫かと心配されていたご長女様はすごく喜ばれ、「心配したけど安心しました。嘘みたいなことですね」と仰っていました。
ご葬儀をしない火葬式を選択されたとしても、何ができるのかを考えて、費用をかけずして心に残るものができたときは、こちらも感動とこの仕事をしていて良かったと思えます。
なによりご家族様がお喜びになられた姿を見ることができ良かったです。
M様、ご家族皆様、お疲れ様でした。ご紹介いただいた施設様、その他ご協力いただいた皆様ありがとうございました。