一期一会のお葬式|和歌山市、自宅での1日葬(真言宗)

故人 和歌山市N様女性 95歳


N様のお嬢様より事前のご相談をお受けしておりました。入院をされていましたが、ご自宅に戻られて数時間後、ご家族に見守られながら静かに旅立ちました。
事前のご相談ではご自宅から家族で温かく送り出したいとご希望されていました。

N様は20年ほど前からお嬢様ご家族と同居されていました。2年ほど前までは自分のことは自分でされ、今年の2月初め頃は自分で立ったりもされていたそうです。
N様の最終の職業は銀行の食堂で食事を作るお仕事です。人当たりが良く、気配りができ優しい人でした。

ご納棺の際はお嬢様にお手伝いいただきました。
ご自宅の温かいお湯で、お顔と身体を拭き、お着替え、ドライシャンプー、お化粧をして身支度を整えました。ピンクがお好きだったとのことで、仏衣とお棺、写真額をピンクにしました。
シャンプー後にはお嬢様がN様の髪の毛を「少し切っていいですか?」と仰ったので、N様の髪の毛を少しカットしていただきました。
お布団からお棺に移動の際は、お孫様たちお2人がN様のお身体を抱え、N様をお棺の中へとご納棺されました。
お棺のなかにはウサギのぬいぐるみ、むらさめ、おかき、三ツ矢サイダーなどをいれました。ウサギのぬいぐるみには先立たれたN様のご主人の髪の毛が入っているそうです。お顔の近くに置かせていただきました。
お嬢様が書かれた写経、お孫様が書かれた絵を入れ、最後に皆様でお別れの握手をしました。

ご自宅での最後のお別れは、お棺いっぱいのお花を手向け、いつも持たれていたカバンを入れ、帽子を被り可愛くなりました。
そして長く一緒に過ごされたご自宅を後に斎場へ向かいました。

N様は2月の初めに突然お嬢様に向けて「お疲れさんやったなぁ、長いことしんどかったやろー、ありがとう」と仰ったそうです。
入院していてご自宅に戻る前、温かいタオルでお顔を拭いてあげたときも「ありがとう」と聞こえたとのこと・・・

N様はたくさんの「ありがとう」の感謝の気持ちをご家族に伝えていました。

ご自宅でのご葬儀とお別れは、故人からご家族へ、ご家族から故人への「ありがとう」の感謝でいっぱいの温かいお葬式となりました。

お嬢様はご自宅での看取りを振り返り、お母さまを自宅で看取れたこと、そしてその最後を息子たちと見送れたことが良かったと仰いました。
息子たちそれぞれが「生」と「死」を感じとり「永眠を見届ける」ことで命の尊さ、愛の深さ、別れの悲しみなどを経験できたことはなによりだったと話してくださいました。
このお話を聴いて、こうして代々命と魂を繋いでいくことは大切なことだと強く感じました。

このようなご葬儀のお手伝いをさせていただいたことに心より感謝いたします。
N様、ご家族皆様お疲れ様でした。この度もご協力いただきました関係者の皆様にも感謝申し上げます。

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