一期一会のお葬式|和歌山市斎場での1日葬(浄土宗)

和歌山市 T様 男性 81歳

先日、和歌山市斎場にて一日葬をお手伝いさせていただきました。
ご依頼くださったのは、急逝されたT様のご家族様。突然のお別れに、皆さま驚きと悲しみの中におられました。

T様は、当日の朝まで普段通りお食事をされ、お変わりない様子だったそうです。
少し腰の痛みを訴えられ横になられたところ、急変され救急搬送されましたが、そのままご逝去となりました。あまりに突然のことで、ご家族様もまだ現実を受け止めきれないご様子でした。

T様の日課は、毎日欠かさない朝夕のお宮参りとお散歩。ご夫婦で「どっちが長生きするかなぁ」と、微笑ましく語り合っておられたとのこと。
結婚されて約60年、長年連れ添われた奥様との毎日はとても仲睦まじく、午前10時になると、決まってお二人でお買い物に出かけるのが習慣だったそうです。

長く百貨店に勤務されていたT様は、家族から「百貨店マン」と呼ばれ、誰にでも分け隔てなく接する、気さくなお人柄でした。
お子様が小さい頃には、ご家族でよく旅行にも行かれていたとのことで、葬儀当日には思い出の旅行写真を式場に飾らせていただきました。

ご納棺の際には、ご家族様にお湯をご用意いただき、皆さまで順にT様のお顔をやさしく拭いていただきました。
お着替えの仏衣は紺色で、とてもよくお似合いでした。副葬品としては、お好きだったビールやたばこ、お気に入りのお食事、旅行のガイドブック、ミニカーなどをお棺にお納めしました。

その後、ご家族の皆さまにはT様と順に「握手」をしていただきました。
お嬢様が「父と手をつなぐなんて、大人になってからはなかったわ〜」と、少し照れくさそうに話されていたのが印象的でした。
大切な人がそばにいても、気持ちを伝えたり、手をつないだりする機会は少ないもの。それは、日本人らしい奥ゆかしさでもありますね。

葬儀式の後、お別れの時間には、お選びいただいた紫のお棺にたくさんのお花を手向けていただき、皆さまでお棺のふたを閉じ、最後のお別れをされました。

このたびは、あまりに突然のお別れとなりました。
T様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして、T様のご家族の皆さま、本当にお疲れさまでございました。
私たちにお手伝いできることがございましたら、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいませ。

また、お世話になりました関係者の皆さまにも御礼申し上げます。

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