一期一会のお葬式|和歌山市N様 直葬(火葬式)
このたび、施設様のご紹介により、N様のご葬儀をお手伝いさせていただきました。
N様は県外ご出身で、若い頃に和歌山へ移住され、長年マッサージのお仕事に従事されてきました。70歳頃まで現役で働かれた後は、一人暮らしを続けられましたが、数年前に倒れられてからは施設で穏やかに過ごされていました。
生前、N様はご自身の最期について施設の方に明確なご意思を伝えておられました。そのご遺志を尊重し、火葬式を執り行いました。
納棺では、仏衣にお着替えいただき、ドライシャンプーやお化粧を施し、丁寧にお支度を整えました。お棺にはお花を手向けながらお声かけをし、ご出棺前には昭和の名曲である美空ひばりさん「愛燦燦」を流しお見送りしました。



火葬後の収骨では、斎場の方から「生前よく咀嚼されていたご様子です」とのお話があり、歯や喉仏が美しく残っていたことが印象的でした。お骨はお足元から丁寧に納め、その後お寺へお届けいたしました。
納骨の際には、ご住職様に本堂での読経をいただき、施設の皆様とともに立ち会わせていただきました。その後、樹木葬の区画へご案内し、N様のご納骨を無事に終えることができました。ここには、同じ施設で過ごされた方々も眠っておられ、N様もきっと安心してお休みいただけることと思います。
N様は20歳でご結婚され、お子様も3人いらっしゃるようですが、離婚後にお子様とは音信不通でした。離婚や身内との疎遠で近年、和歌山市でも身寄りのない方やおひとりさまのご葬儀をお手伝いする機会が増えています。N様のように、ご自身の最期をきちんと考え、意思を遺された方の想いに寄り添うことの大切さを、改めて感じさせていただきました。
「自分のことは自分で決める」それが、自分の尊厳を守り生きてきた人生の締めくくりではないでしょうか。
このたび関わってくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。



