大切な我が家から、笑顔で旅立つ。釣り好きのお父さんを囲んだ、温かな自宅葬

Y様ご夫妻と出会ったのは、数年前のことです。昨年末ごろから体調を崩され入院が続く中、先行きへの不安を抱えた奥様が、勇気を出して私どもにご連絡をくださいました。「葬儀の準備なんて」という気持ちを抱えながらも、「後悔のないようにしたい」という想いが背中を押してくださったと伺っています。その言葉をしっかりと受け止め、ご家族の想いに寄り添いながら、Y様らしいお見送りのご準備を進めました。

葬儀概要

葬儀形式:自宅の一日葬
安置場所:自宅
参列者:親族約30名、一般約20名 
    合計50名
特徴:オリジナル祭壇(海・イサギなど   
   ブルー基調)
費用総額:約100万円

自宅内の生花祭壇飾り。電動ベッドをお棺の台として使用しました。

ご安置|深夜の帰宅を、家族みんなで迎えて

「自宅へ帰してあげたい」——奥様のご希望で、病院からご自宅へのお迎えに上がりました。深夜23時ごろのことでしたが、お子様やお孫様たちがたくさんお集まりになり、Y様のお帰りを待っていてくださいました。

電動ベッドを移動してのご安置となりましたが、お孫様たちが率先して手伝ってくださいました。深夜にもかかわらず、あたたかな家族の輪の中でY様は大切に迎えられました。

故人のお人柄|海と釣りとともに生きた、穏やかなお父さん

Y様は物静かで、お子様たちに声を荒げることのない、穏やかなお父さんでした。「お父さん」と聞けば、誰もが「釣り」「海」を思い浮かべるほど、釣りはY様の生きがいそのものでした。

船に乗って沖へ出て、たくさん釣れた日には近所の方々へおすそ分けをする——そんな姿が、Y様の人となりをよく表しています。遺影写真は、大漁の後に満面の笑みで魚を掲げた全身写真。ご家族皆様で選ばれた一枚です。

納棺の儀|きれいになって、スッキリと

入院中はお風呂に入れずにいたこと、そして生前からお風呂が好きだったことから、ご家族は湯灌(ゆかん)をご希望されました。

丁寧に身を清め、身支度を整えたY様のお姿に、ご家族からは「きれいになってスッキリしたね」との声が聞かれました。最後には皆様でY様の手に触れ、全員で写真を撮りました。手のぬくもりを確かめるようなその時間は、静かで、深いものがありました。

故人との最後の握手をして家族全員で写真を撮りました
お棺の中に入られたあと、家族みんなで触れ合う

葬儀当日|我が家に30名が集い、ご近所みんなで見送った一日

自宅での葬儀、その準備から

自宅での葬儀は、間取りや家具の配置、出入り口の動線まで丁寧に打ち合わせを重ねます。前日には家具や机を移動していただき、親族約30名・一般の方々が入れるよう座布団や椅子を整えました。

海とイサギへの想いを込めた、オリジナル生花祭壇

釣りをこよなく愛されたY様のために、海と大好きだったイサギをモチーフにしたブルー基調の生花祭壇をご用意しました。釣り竿や釣り姿のお写真、そして遺影には——ご自身で釣り上げたイサギと並んで笑顔で写る一枚をお選びいただきました。

祭壇づくりにはお孫様たちも参加してくださり、ご家族皆様でY様らしい空間を作り上げていただきました。

お別れの時間

お花を手向けながら、一人ひとりがY様への言葉をかけてくださいました。何度も何度も語りかけるご家族の姿から、Y様への深い愛情が伝わり、涙と笑顔が混ざり合う温かな時間となりました。

ご近所の方々もたくさんお越しくださり、それぞれの思い出を胸に手を合わせてくださいました。

お孫さん全員でお棺の上に花束を手向けました

出棺|ご近所みんなで見送る光景

ご長男よりご参列の皆様へ感謝のご挨拶があり、Y様は長年暮らしたご自宅をあとに、五色台聖苑へと向かわれました。

出棺の時刻に合わせて、ご近所の方々が次々と外に出てきてくださいました。道の両側に並んで手を合わせ、Y様を見送るその光景——現代ではなかなか見ることのない、温かな人の輪でした。

ご出棺車輛は軽自動車でした。初めて見る方も多いと思います。昔では考えられないとは思いますが、小さい車は故人との距離も近く、音楽もかけることができるので、ご主人が好きだった「桂銀淑」の音楽を流しながら走りました。奥様にはご主人との思い出を振り返り、最後のドライブの五色台聖苑までの道のりを静かに過ごしていただく時間にできたのではないかと感じました。

今回の葬儀費用

寺院はご紹介。浄土真宗本願寺派の善称寺さま。一日葬のお布施は10万円(和歌山市外のため)

お布施を含み総額で110万円程です。詳細がお知りになりたい方はお問い合わせください。

葬儀を検討中のかたへ

今回のように自宅でのご葬儀も可能です。幕やテントを張ることはございません。お部屋を1室お借りしたり、導線を見たりさせていただき自宅葬が可能かどうかをご相談させていただきます。
自宅ですと、ご安置の費用や式場使用料が不要なので、その費用をご希望のカタチに使うことができたり、節約することもできます。

スタッフからのコメント

川本

ご主人様の容態が思わしくない中、大きな不安を抱えながらも私どもにご相談くださった奥様の勇気に、心から敬意を感じました。ご家族皆様が一つひとつの想いを丁寧に伝えてくださり、Y様への「ありがとう」や「大好きだよ」というお気持ちが、式全体にあふれていました。その優しさに包まれた時間を、私どもに託していただいたことを、深く感謝申し上げます。

上村

「葬儀の準備なんて」と思いながらも、「後悔したくない」という気持ちで連絡してくださった奥様の言葉が、今も心に残っています。祭壇については何度も話し合い、ご家族皆様と一緒にY様らしさを形にしていきました。出棺の際のご近所の方々のお見送りは、自宅葬だからこそ生まれた光景でした。家族葬として参列を絞ることが多い時代に、「本当に心から送りたい」という想いを大切にできた葬儀でした。ありがとうございました。

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